《過去》という名の檻

《期待に寄り添う刺》

なに気ない言葉
励まされ 見守られる
ただそれだけのこと
なのに なぜだろう
胸に感じる
かすかな軋み

陰が落ちる
心の片隅に



《愛でることの呪縛》

讃えられる喜びは
気がつけば
とうに 亡くしていた
自分の限界を知り
そして後はただ
下り坂を転げ落ちるだけ

お願いだ
どうか それ以上は



《知識の歪みに巣食う虫》

どこで間違ったのだろう
大いなる野心
周囲の讃美
豊かな教養
読破した書物の山
前途は果てしなかった

なのに 残ったのは
狂人という汚名のみ



《目覚めへの渇望》

長い長い道
終わらない暗闇の中
心が希薄になる
立ち止まり
あきらめかける
それでもあがく

ただ一筋の光
それを見るまでは



《信頼するに足る意志》

全ては崩れさり
そして無に帰った
心は空になり
希望も未来も見失う
そしてようやく
気づく

すぐそこにあった
暖かく厳しい眼差しに

ヌヌザックの夢の中のマップ名から作りました。
ポキールとの会話で明かされた、ヌヌザックの想い。
世界の闇の面ばかりを見つめ続けてきた彼の夢の中を今、
主人公という一陣の風が吹き抜けてゆきました。

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