或る逃避行

《語り部》

君が乞うのならば、語ろう。
幾度でもこのオルゴールを巻き直し、
そして幾度でも見せよう。
大地の想いを。

時を感じ、時の中に生き、
そして《時》を生み出した子らよ。

時は流れ、止めることあたわず、
成しえるは、見つめることのみ。

そして《時》に縛られることの
意味を知れ。
時の呪縛、時の祝福を
知った時、

君は大地に愛されていることを
思い出すだろう。

大地に愛されしものよ、
その愛の意味を知れ。

[ 文机 | ]