蝶・きままWJ感想
■蛇足:高田誘拐などの備えについて 高田にこんな無茶をさせたのは、ひとえに、魅上が持ち歩いている偽ノートを本物と見せかける為、魅上に本物ノートの端切れを持たせない(=使わせない)ことを徹底したためだろうが、本当に高田が何日も監禁状態になった時も、こんな危うい作戦で行くつもりだったのだろうか、という疑問が残る。 たまたま数日後にニアとの決着が控えていたから当座の二日分だけで済んだが、尾行対策で魅上に偽ノートだけを所持させていて且つニアとの決着の見通しが立っていない時期に高田が誘拐されて監禁が一週間程続いたら、高田の手持ちの端切れだけでは間に合わなくなるだろうし、月や魅上は一体どうしたのだろうか。 …もしかしたら、高田の手持ちの端切れがいっぱいになってしまって裁きが止まってしまうのと同時に、魅上も偽ノートへの記述を止め、かつて出目川をさっさと始末して次の候補に高田を選んだ時のように、監禁状態で動けず裁きもできなくなった高田を始末してさっさと次の候補者を捜すだけなのかもしれない。そう考えると、人の命を駒のように思っている月や魅上の思考回路に背筋がうすら寒くなる。 |
■蛇足:日付の狂いなど(原作のミス?) 本物ノートは「11月25日から」は書かれていないということは、
※page.102の月のモノローグによれば、月は魅上に、最初に切り離したノートをまず5ページ、後に十分な期間を持つ枚数を高田へ送らせたことより、魅上に高田へファンレターを装って白紙のページを5枚送らせたのは、11月24日よりは幾日か前という可能性もあり。 ただ、page.88(52号)での「11月26日?5枚?何の事です?」『…………11月26日…ノートの送られてきた封筒にあった消印…指示が書いてあった便箋が5枚…』という月と魅上のやりとりより、月の指示でミサが魅上にノートを送って所有権を放棄したのは11月26日ということになる。こちらの日付が正しいとすれば、11月26日以前はそもそも魅上は本物ノートを入手していないということになるため、上の「11月25日から1月26日まで書かれていない(=11月24日までは本物ノートに魅上が書いている)」というニアの説明と矛盾する。 ニアが該当箇所を説明するシーンでは、本物ノートの「11月」分とされる1ページも示されている。このページは、11月1日から11月24日までに書かれた11月分の内の1ページのはずであり、魅上が書いたものという前提で話が進められているため、ゆえに、上で引用したpage.88の「11月26日?」という月の台詞は原作のミスと思われる。正しくは11月初旬辺りが妥当な日付か。 ちなみに、魅上に送る前にミサが書いていた部分のページは、ミサから足がつくことを怖れていた月が、あらかじめ処分させていたと思われる。もしミサが書いた部分も残っていたならば、ニアが本物ノートを入手した時に、魅上以外の筆跡に着目しないはずがないが、今回のニアの説明ではそういう事実は全く示されていない。 (もしかしたら、次回以降で「ところで、本物のノートの前の方には魅上と異なる筆跡で書かれたページがありますね。これは、以前の第二のキラが書いていた跡でしょうか」などというニアの追い打ちがあるかもしれないが、私は月が抜かりなく、ミサが書いていた部分は処分させていた可能性の方が高いと思っている。) |